私は両親も親戚の大半もクリスチャンで、生まれたときから教会に通ってきました。自分で選んだのではなく、両親に連れられて教会に通い始めました。私が通っていた教会は、実家から車で1時間ほどかかる場所にあり、毎週日曜日は朝早くに教会に行き帰ってくる頃にはもうすっかり夜になっているという生活でした。調べてみたら、長崎市から嬉野市くらいの距離を毎週往復していたようです。
今日は私が長崎に来る前に経験したことと、長崎に来てから変わったことについてお話させていただこうと思います。
私は北日本にある、いってしまえば田舎で育ちました。小学生の時はカエルを捕まえたり、バッタやとんぼを捕まえたりして遊んで育ちました。もちろん近くに教会もなく、学校では私以外教会に通っている人はいませんでした。
中学一年生の時、地理の授業で三大宗教について学ぶ時間がありました。そこで班で調べ物をしているときに、私は班の人に自分が教会に毎週通っていることを言いました。本当に何気なく、口にしました。 ところが、教会に行っているという話を聞いた友達が、明らかに引いた様子で、驚いて「教会に行っているの?」と聞いてきたのです。今思うと、その友達は単に教会に行っている人が身近におらず、びっくりしただけなのだろうなと思います。ですが中学生の私にはそういわれたのがとても衝撃的で、以来一度も友達に教会に行っていることを自分から言うことはありませんでした。クラスで目立つのがとても怖かったのです。また、幸いだったのは、どこへ行くにも親の送り迎えが必要な場所に住んでいたため、日曜日に遊ぼうといわれても教会に通っていることを言わずに断ることができたということでしょうか。このようにして、私は高校生まで自分がクリスチャンだということを隠して過ごしてきました。
学校でこのようなことはありましたが、教会に行くのは概ね好きでした。教会に行けば小さいころから知っている人たちに会え、ピアノを弾けば褒められ、小さい子供の面倒を見たら褒められ、おいしいご飯が食べられたからです。今の理由を聞けばわかる通り、自分から熱心に聖書を読んだり、メッセージを聞くことはあまりありませんでした。
このように毎週教会には行くけれど、ほんとうに行くだけ、という生活で高校生まですごし、大学進学で長崎に行くことになりました。私はその時まで、大学に入ったら教会には通わないかもしれないなと思っていました。これまで教会に行っていたのは親がいたからで、もし教会に行ったとしても、たまに顔を出すくらいにしようと思っていました。
長崎バプテスト教会を見つけて、そこに行くように言ったのは父でした。長崎には教会が沢山ありましたが、youtubeで礼拝を配信していて、実際にどのような感じなのかを見ることができたから安心して私に勧めることができたと言っていました。
初めて長崎バプテスト教会に行ったのは、ちょうど活水中高でイースター礼拝をしているときでした。新生活にも少し慣れ、いよいよ教会に行かない理由がなくなったころ、ホームページを見たら、活水でイースター礼拝をすると知り、家から近いし一度行ってみるだけ行ってみようと思いました。初めて参加する礼拝で、皆さんにやさしく迎えられ、来週もいってみようかなと思いました。何もわからず緊張していた私に大学生が自分から声をかけてくれ、全体写真もみんなで撮ったことをよく覚えています。
長崎バプテスト教会に通いだしてからはずっと驚きの連続でした。それまで自分が教会に持っていたイメージを大きく塗り替えられました。まず、人が多い。私が通っていた教会は今は15人弱の教会なのですが、それとは比べ物にならない人数に驚きました。また、旅行者の方などほぼ毎週新しく教会にやってくる人がいることにも驚きました。英語や韓国語の通訳ができる人材と環境があること、youtubeで配信できること、聖歌隊やゴスペルができる人数がいること。何もかもが驚きでした。皆さんにとってはこれが当たり前で、驚くことなのかと思われる方もいるかもしれませんが、本当に私にとってはすべてが新鮮でした。何よりも、長崎という土地はキリスト教と深く関わりのある土地で、教会が地域に受け入れられているように感じます。
通っているうちに、託児や子どもミニストリーに関わる奉仕をさせていただくことになりました。自分が中高生の時、中高生向けの礼拝がなかったので、正直自分がこの奉仕を担っていいのかと思いましたが、これも神様のご計画なのかもしれないなと思い、やってみることにしました。まだ悩みながら行っている部分もありますが、この奉仕を通して自分が大きく成長することができていると感じていています。
最初は、長崎に来たばかりで、環境に慣れるのに精一杯でしたが、最近は「まず一旦やってみよう」を個人的な目標に掲げて、誘われたことはできるだけやってみることにしています。中高生の修養会にスタッフ側で参加してみたり、プレイズに楽器で参加してみたり、祈祷会での証しもしてみたりと、なかなか充実したクリスチャン生活を送ることができています。長崎教会に来て、本当にたくさんの経験をして、たくさんの変化がありました。
今日の証しの初めにこれまで学校の人に教会に行っていることを隠していた、と言いましたが、大学に入ってからは勇気を出して何人かの友人に言ってみました。みんな、「そうなんだ」と何でもないことのように受け入れてくれました。私が友達に言うことができたのは紛れもなくこの教会に通って、自分の意志で、自分で神様を信じてみようと思えたからです。
このように自分にとって長崎に来てからの時は神様について考える時間になりました。学校や部活、アルバイトと、教会以外のことでも忙しく、常に神様だけを見つめて生活ができているとは言い切れないですが、これからもこの教会で、神様のことを知り、自分と向き合うそんなクリスチャンとして成長していけたらと思っています。