祈りの中で育まれた力―神の業があらわれた親子の歩み

  • 50代 高校生の息子を持つ母

教会でもよく「Kくんは元気?」と声をかけていただきます。いつも息子を気にかけてくださり、本当に感謝しています。

約10年前、息子にてんかんの発作が出るようになり、祈りチームを中心に、多くの教会の方々に祈っていただきました。一度発作が出ると救急車で運ばれ、5時間ほど意識が戻らないことが続きました。最初は市民病院へ、その後は大学病院を紹介していただきましたが、改善せず、私は毎日ネットで「何かできることはないか」と必死に探しました。他県に東洋医学の先生がいると聞いて1週間検査を受けに行ったこともありました。先生方も難しい表情をされ、「今は手立てがない」と言われました。

そんな中、ある国立医療センターに“てんかんセンター”があると知り、紹介状を書いていただきました。そこで初めて「良性てんかん」であること、そして「今の薬が息子には合っていない」ということが分かり、薬を変更しました。小学校6年生まで薬を飲み続け、脳波の検査を重ね、最後に「正常です」と診断されたとき、胸がいっぱいになったことを今でも覚えています。

不安で心が折れそうなとき、みなさんの祈りに支えられ、守られていると強く感じましたし、祈りは神様に届き、聞かれたと思っています。聖書の御言葉にもたくさん励まされました。その中でも、特に心に残っているのがヨハネによる福音書9章の御言葉です。生まれつき目の見えない人を前に、弟子たちが尋ねました。「ラビ、この人が生まれつき目が見えないのは、誰が罪を犯したからですか。本人ですか。それとも両親ですか。」イエスさまはこう答えられます。「神の業がこの人に現れるためである。」

神さまは愛の方です。“神の業”とは、罰ではなく、素晴らしい愛の業が現れること。私はこの言葉を握りしめて、神さまの愛を信じ、期待しながら祈ることができました。

そんな息子も、今では元気いっぱいの高校生です。体育測定では中学からずっと学年で1番。小学生から続けているソフトテニスも頑張っています。

先日、試合がありました。小学生の頃、同じクラブにいて、体が大きく、とても強い同級生がいました。息子は何度対戦しても勝てず、その子にずっと憧れ、背中を追い続けてきました。高校ではその子は強豪校に進み、毎週県外遠征。そんな彼に、この秋、初めて勝つことができたんです。今は勉強と部活を両立しながら、自分なりに努力しています。

「頑張りたいときに、頑張れる。」当たり前のようで、以前はできなかったことです。これまでたくさんの方々に祈っていただき、支えていただき、そして神様の恵みによって息子はここまで育てられてきました。

ただ、最近、学校では「教会に行くこと」が少し特別なことのように話され、戸惑うこともあるようです。今は教会から少し離れがちになる時もあり、神さまの声は小さなささやきのようなのかもしれません。それでも、神さまはいつも共にいて、支え続けてくださっていると信じています。

神の業があらわれ、日々神によって生かされ、神様の臨在にはっきりと気づくことができるように、どうか引き続きお祈りに覚えていただけると感謝です。

 

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