Being Nagasaki~ 日本バプテスト連盟 長崎バプテスト教会 ~                           English / Korean / Chinese

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「原爆体験から平和を思う・・21世紀に語り継ぐ・・」
                     山口カズ子

 周りを緑の山に囲まれ、深く入り込んだ長崎の港。
  今日も白い外国船が岸壁に横付けしている。
 三菱造船所のドックには建造中のタンカーや商船の姿が見うけられる。
 稲佐山から見下す長崎の夜景は百万ドルの価値と云われる程美しい。
 南山手界隈にはグラバー園をはじめとする異国情緒豊かな街並が続いている。
 浦上川をさかのぼると廃虚の中から復興した新しい家々、
 町々が以前にもまして広がっている。 
 この平和なロマンあふれる美しい都市長崎。
 56年前、1発の原子爆弾によって一瞬にして幾万の命が吹っ飛び、街が焦土と化してしまったことを誰が思い浮かべることができるだろうか。

 第二次世界大戦もようやく終りに近い1945年、日本の敗戦の色濃くなっていた8月9日午前11時2分、長崎の空に世界で2番目の原子爆弾が落とされた。 10万とも云われる人々の命が一瞬に奪い去られた。人々はその凄まじい爆風によって肉がちぎれ、その熱風によって肉が焼かれた。 大橋町の三菱兵器工場技術部3階の窓際で作業していた17才の私は一瞬炎のような光がピカッと目に入ったと思ったとたん気を失っていた。 気が付いたときは天井の梁や多くの材木の下敷になっていた。ようやく這い出した私の目に入ったものはもうもうと巻き上げられた土ぼこりと、めらめらと燃え上がる炎の中、全身真黒に焼けこげ血を流し助けを求める人々の叫び、息絶え絶えの断末魔の声であった。何が何だか見当もつかなかった。何が起こったのか考えもおよばなかった。
 人々は焼けただれ、傷ついた身を引きずって、ただ、ひたすら逃げるだけだった。その有様はとうてい筆舌につくしがたく、まことに、この世の地獄としか言い様がなかった。私は両手に火傷、頭に裂傷を負ったが不思議にも九死の中に一生を与えられて、家族の中でただ一人の生残りとなった。
 住居は松山町爆心地のすぐ傍であった。勿論家屋は一瞬で吹き飛んだことは間違いない。最愛の家族、44才の母と、15才、13才の二人の妹を探すことができなかったことは、私の一生の不幸不義であり詫びても詫びきれず、悔いても悔いきれない。

 どうして原子爆弾が落されなければならなかったのだろうか。
 罪もない子供達や多くの弱いものが何故悲惨な苦しみに遭わなければならなかったのだろうか。これが戦争というものであれば、戦争とは何と残酷なものなのだろうか。これ程愚かなものはない。

 日本はどうしてあの戦争をしたのだろうか。
 戦後50余年、多くの人がこの問題について考え、論議し検証しているが明確な答えは私には解らない。日支事変よりあの大戦に至る時期日本国民はひたすら戦力増強の一事に邁進していた。八紘一宇の名分のもと、大東亜共栄圏確立の聖戦だと教えられていた。何のための戦いなのか真実は知らなかった。少なくとも幼い女・子供達は知ることができなかった。日本軍が中国や南方の国々で働いた恥ずべき行為も全く知らなかった。

 女学校2年生の頃であったと思う。当時の三菱会館に市内の女学生が集められ戦意向上のための催しがもたれた有名な音楽家により軍歌のようなものを教えられ、敵国人を悪と決めつけて憎むように煽動されたことを覚えている。多感な乙女時代に真実を知ることなく人を憎めと教えられたことを、どう受け止めればよいのだろう。

 聖書には「汝の敵を愛し、敵のために祈れ」と教えている。何という相違であろうか。
 戦争によって多くの命が失われ、肉親が離ればなれになり土地を奪われ生活を奪われていく。
 それなのに地球上に戦争はなくならない。
 人は戦うために生れてきたのだろうか。
 何を求め、何をめざして生きればよいのだろうか。

 人間を造られた神は、仰せになる。「神を愛し、人を愛して生きよ」と。 
 そして一人子イエスキリストをこの世に送られた。 
 このお方は神の真実と愛を、数々の言葉と行いによって教え示され、最後に私達の罪の身代わりとなって十字架にかかってくださった。この事により私達は神にゆるされ、永遠の命に生きることができるようになったのである。
 私達は日々の生活の中で、ほんとうに弱く愚かで過ちをくりかえし、絶望するがこのイエス・キリストを仰ぎ見、全能の神により頼む時、新しくされて希望に生きることができる。このことを戦後、キリスト者となり生かされているものとして今、一人でも多くの人に語り伝えたい。

主に感謝。

2001年9月 (長崎バプテスト教会会員)


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牧師: チョ ウンミン
事務スタッフ: 荒木真美子      竹内洋美
音楽主事: 嘉手苅夏希
ゴスペル音楽ディレクター:
     中村百合子

第一礼拝:毎週日曜日9:00am

第二礼拝:毎週日曜日11:02am

賛美集会
毎月第三土曜日 3:00pm

English Service (英語集会)
Sunday 5:00pm

祈祷会:毎週水曜日7:30pm

その他の集会につきましては
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